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制度解説2026-10-168分

こどもNISAとは?2027年開始の新制度をわかりやすく解説

2027年1月から、0歳の子どもでもNISAが使えるようになります。制度のしくみに加えて、18歳からの大人のNISAとの関係、払い出しのルール、児童手当を積み立てた場合の試算まで、親が知っておきたいポイントをまとめました。

この記事のポイント
2027年1月から、0〜17歳でもNISAの「つみたて投資枠」が使えます(年60万円・合計600万円まで)
子どものうちに買った分は、18歳からの大人のNISAの生涯投資枠1,800万円に数えられます
払い出しは原則、高校3年生の1月から。小学6年生の1月からは、本人の教育費・生活費に限って払い出せます
積み立てに使えるのは、お子さま本人のお金だけです
児童手当を0歳から全部積み立てると、18歳で約391.8万円(年5%で運用できた場合の試算)

こどもNISAの要点

通称「こどもNISA」は、NISAの「つみたて投資枠」の年齢制限がなくなり、0〜17歳でもNISA口座を開けるようになる制度です。日本証券業協会のリーフレットでは、大学進学など、大人になってから必要になるお金に備えるために使われることが期待されている、と説明されています。

  • ✓対象:その年の1月1日に17歳以下の年と、生まれた年。2027年より前に生まれた子も使えます
  • ✓使える枠:つみたて投資枠だけ。年60万円まで、合計600万円まで(買ったときの金額で数えるので、値上がりしても枠は減りません)
  • ✓買い方:決まった時期に決まった額を積み立てる方法だけ
  • ✓買えるもの:長期の積立・分散投資に向いた一定の投資信託(上場株式は買えません)
  • ✓金融機関:こどもNISAの間は変更できません

大人のNISAとの比較表と、毎月の積立額から18歳時点の金額を計算できるツールは、こどもNISAシミュレーターのページにまとめています。この記事では、表だけではわかりにくい点を掘り下げます。

ジュニアNISAとの違い:何が変わった?

未成年向けの制度には、2016〜2023年の「ジュニアNISA」がありました(2023年末で新しい口座の受付は終了)。こどもNISAとの違いは、使う側から見ると次の3つです。

1

18歳より前でも、使い道がある

ジュニアNISAは、原則として18歳になるまで払い出せませんでした。こどもNISAは、小学6年生の1月以降なら、お子さま本人の教育費や生活費に充てる場合に限り、非課税のまま払い出せます。

2

非課税で持てる期間に期限がない

ジュニアNISAは非課税で持てる期間が5年で、続けるには手続きが必要でした。こどもNISAは期限がなく、18歳になると手続きなしで大人のNISAに移ります。

3

買えるものは投資信託の積み立てだけ

ジュニアNISAは上場株式も買え、年80万円まででした。こどもNISAは一定の投資信託の積み立てだけで、年60万円・合計600万円までです。

18歳になったら:大人のNISAへ自動で移る

こどもNISAは、その年の1月1日に18歳になっている年から、手続きなしで大人のNISAに移ります。基準が「1月1日の年齢」なので、同じ学年でも誕生日によって移る年が1年ちがいます。

4月2日〜1月2日生まれ

高校3年生の1月に移る

例:10月31日生まれなら、高校3年生の秋に18歳になり、その次の1月から大人のNISAになります。

1月3日〜4月1日生まれ

高校を卒業したあとの1月に移る

例:1月31日生まれなら、18歳の誕生日が高校3年生の1月1日より後なので、翌年の1月から大人のNISAになります。

※法律上、年齢は誕生日の前日に1つ増えるため、1月2日生まれは1月1日の時点で18歳です。どちらの場合も、自由に払い出せるようになるのは高校3年生の1月からです(次の「払い出しのルール」を参照)。

子どものうちに買った分も、1,800万円の枠に数えられる

大人のNISAの生涯投資枠1,800万円には、こどもNISAで買って持ち続けている分(買ったときの金額)も数えられます。こどもNISAは、法律上「つみたて投資枠」の一種として定められているためです。

児童手当を0歳から全部積み立てた(元本234万円)大人のNISAの残り 1,566万円
600万円の枠を使い切った大人のNISAの残り 1,200万円

一方で、こどもNISAの分は、成長投資枠の上限(1,200万円)には数えられません。600万円を持ったまま大人になっても、残りの1,200万円は、つみたて投資枠と成長投資枠のどちらで使ってもかまいません(年間の上限は、つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円です)。

※改正後の租税特別措置法第37条の14の条文にもとづく扱いです。細かい計算方法は政令で決まるため、実際の残り枠は証券会社の表示や金融庁の案内でご確認ください。

払い出しのルールを学年で整理する

こどもNISAは「18歳まで引き出せない口座」と思われがちですが、学年で見ると3つの時期に分かれます。

0歳〜小学6年生の12月

原則として払い出せません。災害や病気などやむを得ない場合だけ、口座を廃止して全部を払い出せます。

小学6年生の1月〜高校3年生の12月

お子さま本人の教育費・生活費に充てる場合に限り、払い出せます。お子さまが同意したことを示す書面をつけて、親などが金融機関に申し出ます。

高校3年生の1月〜

理由を問わず払い出せます。

※正確には「その年の3月31日に12歳(18歳)である年の1月1日」からです。学年で決まるので、早生まれのお子さまも同じ学年の子と同じ時期に払い出せるようになります。

上のルールにあてはまらない払い出しをすると、それまで非課税だった利益に税金がかかり、口座は廃止されます。口座の中で売ること自体はいつでもできますが、売ったお金は専用の口座で管理され、自由には引き出せません。

18歳より前でも本人の教育費に充てられる点は、ジュニアNISAにはなかった使いやすさです。ただし、何にでも使えるわけではありません。どんな支払いが対象になるか、どんな書類が必要かは、口座を開く金融機関で確かめておきましょう。

積み立てるのは「お子さま本人のお金」

こどもNISAで買うときに使えるのは、お子さま本人のお金だけです。親や祖父母の口座から直接買うことはできず、お子さま名義の銀行口座や証券口座にあるお金を使います。

児童手当や祖父母からの援助は「贈与」になる

児童手当は、法律上は子どもを育てている親などに支給されるお金です。こどもNISAで使うには、お子さま名義の口座に移して、お子さまにあげる(贈与する)形になります。祖父母からの援助も同じです。

贈与税は、1年間(1月1日〜12月31日)にもらった財産の合計が110万円以下ならかかりません(申告も不要です)。こどもNISAの年間上限60万円はこれより小さいので、ほかにもらった財産がなければ、上限まで積み立てても贈与税はかかりません。110万円は「もらう人」ごとの合計なので、親と祖父母の両方からもらう場合は合わせて数えます。

なお、親など(扶養義務者)からもらう生活費や教育費には贈与税がかかりませんが、これは必要なときに直接その支払いに充てる場合に限られます。国税庁は、生活費や教育費の名目でもらったお金でも、預金や株式などの購入に充てた場合は贈与税がかかると説明しています。こどもNISAで積み立てるお金は、110万円の範囲で考えるのが基本です。

18歳からは、お子さま自身のお金

18歳で成年(大人)になります。こどもNISAのお金はお子さまのものなので、大人になってからの使い道は、お子さま本人が決めることになります。小学6年生以降の払い出しにも本人の同意が必要なように、親の老後資金などとは別のお金として考えましょう。

日本証券業協会のリーフレットでも、こどもNISAには金融リテラシー(お金の知識)を育てる役割が期待されている、と書かれています。お子さまが大きくなったら、口座の中身を一緒に見てみるのもよいでしょう。

試算:児童手当を0歳から積み立てたら?

児童手当は、3歳未満が月1万5,000円、3歳から高校生年代までが月1万円です(第3子以降は月3万円)。2か月分ずつ、偶数月に親(受給者)に支払われます。こどもNISAは毎月決まった額を積み立てる方法なので、手当をお子さまの口座に移し、そこから毎月1万〜1万5,000円を積み立てる形が考えられます。

事例1:第1子・第2子の児童手当を0歳から全部積み立てる

積立額と元本

0〜2歳は月15,000円、3歳からは月10,000円(元本234万円)

18歳時点の資産(年5%で運用できた場合)

約391.8万円

運用益 +157.8万円

年3%の場合は約316.2万円です。

・課税口座なら運用益に約32.1万円の税金(20.315%)がかかるところ、こどもNISAなら非課税です。

・18歳以降も手をつけずに置いておくと、22歳で約478.3万円になります(年5%)。

・大人のNISAで使える残りの枠は1,566万円です。

事例2:始める年齢で比べる(月1万円・年5%)

2027年の時点ですでに小学生のお子さまは、積み立てられる期間が短くなります。

始める年齢元本18歳時点
0歳(18年)216万円約350.7万円
3歳(15年)180万円約268.4万円
6歳(12年)144万円約197.6万円
10歳(8年)96万円約118.2万円
12歳(6年)72万円約84.1万円

0歳から始めた場合と6歳から始めた場合では、元本の差は72万円ですが、18歳時点の差は約153.1万円に広がります。運用する期間が長いほど、増えた分がさらに増える「複利」の効果が大きくなるためです。

事例3:祖父母の援助も合わせて、600万円の枠を使い切る

・0歳から月28,000円(年336,000円)を積み立てると、17歳の年に600万円の枠に届きます。

・18歳時点の資産は約977万円(元本600万円・年5%)。

・大人のNISAで使える残りの枠は1,200万円です。

・年336,000円は、贈与税の基礎控除110万円の範囲に収まります。同じ年にお子さまがほかにもらう財産が764,000円以下なら、贈与税はかかりません。

事例4:目標額から逆算する(年5%)

18歳で用意したい金額を決めて、必要な毎月の積立額を逆算すると次のとおりです。

18歳での目標0歳から6歳から
300万円月8,600円月15,200円
500万円月14,300円月25,400円
1,000万円月29,900円届かない※

※毎月の上限(5万円)で積み立てても届きません。

※試算はこどもNISAシミュレーターと同じ計算方法です(想定年利を12で割った利率で毎月複利運用し、積み立ては毎月はじめ。年齢はその年の1月1日時点。手数料・税金・インフレは考えていません)。事例1は、3歳を境に積立額を変えて計算しています。年3%・年5%は計算のための仮の数字で、将来の運用成果を約束するものではありません。投資信託は値下がりして元本を下回ることもあります。

お子さまの年齢や積立額を変えて計算してみる

こどもNISAを計算する

まとめ

こどもNISAは、0歳から18歳までの長い時間を使って、大学進学などのお金を準備できる制度です。小学6年生の1月からは条件つきで払い出せるようになり、18歳になると自動的に大人のNISAに移ります。

一方で、積み立てに使えるのはお子さま本人のお金だけで、子どものうちに買った分は大人になってからの1,800万円の枠にも数えられます。また、こどもNISAの間は金融機関を変えられないので、口座を開く会社は慎重に選びましょう。まずはシミュレーターで、毎月いくら積み立てると18歳でいくらになるかを確かめてみてください。

出典(2026年10月時点の情報です)